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相続って何?誰が、どんなものを相続するの?

コラム

不動産コラム

「相続」と聞くと、皆さん当たり前の制度だとお考えかもしれませんが、時代によって大きくその概念が変化してきました。
古くは、家を継ぐ、つまり家督相続のことを言っていました。それが、戦後の民法改正によって、亡くなった人の財産引き継ぎの問題という性質に変わっていったのです。
自分のことはもちろん、両親、子どもの将来を考える上で、一度はきちんと把握しておきたい相続。今回は、遺産相続・不動産相続の基本についてご紹介していきます。

相続するものってどんなのもの?

まず、相続によって、私たちは何を引き継ぐのでしょうか?
民法では「被相続人(=亡くなった人)の財産に属した一切の権利義務を承継する」と決められています。
つまり、亡くなった人が持っていたモノの所有権、債権(他人に請求できる権利)だけでなく、
不動産を有償で借りている地位(賃借人の立場)といったものから債務(他人に対する負債)も全部まとめて一切を引き継ぐということです。
これを「相続財産」または「遺産」といいます。

相続しないものとは?

「不動産を有償で借りている地位」と遠まわしな言い方をしましたが、不動産を無償で借りている地位(使用貸借)については引き継ぎません。
さらに細かい話として、亡くなった人の財産に属したものが引き継ぐ対象ですので、亡くなった人の財産ではないものは、相続として引き継ぐわけではありません。

典型的なものが、生命保険金の受け取りです。
保険をかけられた人(被保険者)が亡くなったことで、受取人が「自分の権利」として取得するものですので、後で説明する相続放棄をしても保険金を受け取ることはできるのです。
他にも、死亡退職金などは、相続財産ではないとされています。

相続する人とは?

では、先ほどの相続財産を誰が相続するのでしょうか。
民法では、まず配偶者は常に相続人になるとされています。
ここでいう配偶者には、内縁関係は含みません。配偶者とともに相続する人の第一順位は子です。

「子」に胎児も含まれます。両親のいずれかが亡くなっても、その子が無事に生まれてきたら、相続人になれるわけです。
子が被相続人よりも前に亡くなっている場合に、子の子(孫)がいれば、その人が相続人となります。
これを「代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)」といいます。

子どもがいない、もしくは子どもが全員相続放棄をしてしまった場合、次に相続人になるのは、「直系尊属(ちょっけいそんぞく)」です。
直系尊属とは、自分から見て、父母・祖父母・曾祖父母など縦の血縁関係の人を指します。
子どもではなく、目上の血縁関係を直系尊属と呼びます。

相続するのは近い血縁から

・父母がいない場合 → 祖父母が相続人
・父母がいない、両家の祖父母もいない場合 → 曾祖父母が相続人

このように血縁(親等)が近い人が優先的に相続人になります。
また、父母は2人まで、とは限りません。実父母に加えて養父母も相続人になります。
直系尊属も子どももいない、または相続放棄をしたという場合に、次に相続人になるのは、"きょうだい"です。
※法律では兄弟姉妹(けいていしまい)といいますが、ここでは便宜上「兄弟」ということにします。

法定相続分とは?

それでは、相続人がどれだけ相続するかでしょうか。
民法で定めた割合を「法定相続分」といいます。法で定められた相続分ということです。
よく、次男よりも長男の方が多い相続分と思っている人もいますが、法廷相続分において同じ順位の相続人はみんな平等です。

配偶者がいる場合

・配偶者と子が相続人になる場合、配偶者の法定相続分は2分の1
・配偶者と直系尊属が相続人になる場合、配偶者の法定相続分は3分の2
・配偶者と兄弟が相続人になる場合、配偶者の法定相続分は4分の3
このように法律上の配偶者の相続分は非常に大きいのです。

配偶者以外の相続の順位は以下の通りです。
第一順位 子
第二順位 直系尊属(父母・祖父母など)
第三順位 兄弟姉妹

例えば、相続するはずの子どもが亡くなっていて、孫がいる場合は、先ほど説明した代襲相続人が相続することになります。その際には亡くなった子どもの相続分を引き継ぎます。
<例>
・子どもが3人(1人が先に亡くなっているA)
・Aには子どもが2人いる(被相続人から見た孫)
→孫2人は、Aの相続分である3分の1を相続し、2人で分けることになる
※相続全体の1/6を孫1人ずつが相続する

遺言を残す意味とは?

これまでお話ししてきた法定相続人や法定相続分についての説明は、亡くなった人がなにも遺言を残さなかった場合のものです。
原則として、自分の遺産は、遺言に残せば自分の好きなように処分できます。

遺言は、相続人や関係者に対して、自分がどんな財産を持っているか、その財産を誰に残したいかについて意見を言える最後のメッセージです。
このメッセージの残し方によって、相続を円満にまとめたり、逆に相続人の揉め事になるということも。
家族みんながずっと仲良く幸せに暮らすためにも、一度自分の財産を見直し、整理することが大切です。