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不動産相続の手続きは期限がある?放置しておくと問題が起こる可能性が...

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不動産コラム

不動産相続の手続きは期限がある?放置しておくと問題が起こる可能性が...

不動産相続には手続きが必要ですが、期限はあるのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。もし相続の手続きを放置した場合、問題が起きてしまうかもしれません。

トラブルを未然に防ぐためにも、手続きの期限について知っておくことをおすすめします。

今回は不動産相続の手続きの期限と、もし放置した場合どのような問題が起こる可能性があるのかをご紹介いたします。

■不動産相続の手続きの期限

不動産相続の法的期限の一つとして「相続税の申告と納税」の期限があり、これは被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から「10か月以内」です。しかしすべての手続きが10か月以内というわけではなく、不動産相続に関しては名義変更や相続放棄の場合でそれぞれ決まりが異なります。

どのような違いがあるのか解説します。

・名義変更に法的な期限はない

まず名義変更ですが、相続による不動産の名義変更に法的期限は存在しませんし、変更の義務もありません。行政機関からの名義変更の連絡も、原則として行われることはありません。そのため相続人が相続手続き時に、すべての不動産を把握できていないこともあります。

・相続手続きの目安

先述したように、相続税の申告と納税期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。この10か月という期間で、不動産の評価額調査や遺産分割協議などを行い、相続内容を確定させなければいけません。この期限を超過すると延滞税が発生するなどデメリットが発生してしまいます。

場合によっては申請期限の猶予申請や、仮申告をして決定後に修正申告する、などの方法もありますが、できれば余裕を持って早めの処理を心掛けるとよいでしょう。

・相続しない場合の期限

相続をしない「相続放棄」の申請は、相続人が亡くなったことを知った日の翌日から「3か月以内」に家庭裁判所に申立をする必要があります。この期限を超過したり、申立以前に一部の相続分を処分してしまったりすると放棄ができなくなることもあるので注意が必要です。

申立は期間が短く、必要な書類もあるため、司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。

■不動産相続の手続きを放置した場合に起こりうる問題とは

登記が面倒などの理由で、登記をせず放置する事例が少なからずあります。

しかし不動産相続の手続きを放置することで、様々な問題が発生するリスクがあるのです。

・不動産の売却ができない

現在の所有者の名義に変更しない限り、不動産を売却したり担保にしたりすることはできません。また、すぐに売却する予定がなく放置して問題がないとしても、将来的に売却が困難になるかもしれません。相続人の数が多すぎて、売却が著しく困難になるケースがあるからです。

・名義変更が難しくなる

相続登記を放置し時間が経過することにより、名義変更が難しくなるリスクがあります。

登記の際に必要となる書類には保存期間が定められたものがあり、時間経過により入手できなくなるかもしれません。

また相続当時の相続人が死亡した結果、相続人が増加したり、何らかの理由で相続人との連絡が困難になったりすることで、遺産分割の協議が難しくなる可能性もあります。

・次の相続で問題になる

相続登記を放置している間に相続人が死亡してしまい、次の相続人が登記する場合は手順が複雑になります。

例えば、孫が祖父名義の土地を相続する際には、相続登記を二重に行う必要があります。

年数経過により必要書類が手に入らないなどのケースもあり、結果として相続をあきらめてしまう傾向も多いようです。

■不動産相続の手続きに関する注意点

不動産相続の手続きにおいては、特に相続税の申告と納税期限に注意が必要です。

不利益を被ることがないよう、期限内に処理することが重要になります。

しかし金額的に納付が難しかったり、納付後に払いすぎに気付いたりした場合にはどうすればよいのでしょうか。

・申告期限が過ぎると納税額が増える

相続税の申告期限から2週間が経過し、税務調査が発生した後に申告した場合は、「無申告加算税」として税金総額の15%(納付税額が50万円を超える部分に対しては20%)が加算されます。なお、税務調査前に自主的に申告しても、5%が同様に課せられます。

また「無申告加算税」を延滞した場合には延滞税がかかることもあるので注意しましょう。

・期限内に相続税の支払いが難しい場合はどうする?

相続税の支払いが難しい場合、期限を延ばしてもらい、分納が可能な「延納」や物で支払う「物納」を選択することもできます。

ただし、それぞれ満たすべき要件が存在しますし、デメリットもあります。

延納は利子が発生しますし、不動産で物納する場合、市場価格より大幅に低い査定になってしまうことがあります。

・多く収めた相続税は取り戻せる?

もし相続税を納めすぎてしまった場合、「更正の請求」を行えば申告をやり直して相続税を取り戻すことができます。

更正の請求ができる期限は、被相続人が死亡した次の日から「5年10か月以内」です。

不動産相続の手続きには法で定められた期限が存在し、守らないことで様々な問題が発生します。また、相続登記のように期限が存在しないゆえに問題が発生することもあります。

正しい知識を得ることで、不利益を被ることなく不動産相続を行えるようにしたいものですね。

※本コラムの内容は令和3年3月24日現在の法令等にもとづいております。年度の途中に新税制が成立した場合や、税制等が変更されるケースもありますのでご了承ください。 また、詳細について知りたい方は、お近くの税務署や税理士などにご確認ください。