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最近話題の民事信託(家族信託)ってどんな制度?制度についてご紹介します

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最近話題の民事信託(家族信託)ってどんな制度?制度についてご紹介します

民事信託は家族信託とも言い、活用することで多くのメリットを得ることができます。上手に利用するためにも、民事信託の内容を把握しておきましょう。

今回は民事信託についてご紹介します。

■民事信託(家族信託)とは

民事信託(家族信託)は、2007年に施行された信託方法です。民事信託とは何か、どのような種類があるのかを解説していきます。

・民事信託とは

民事信託とは、持っている財産を信頼できる人(家族)に託すことができる制度です。受託者は、信託契約に基づいて財産の管理、活用等をできるようになります。

民事信託は、自分の財産を信託銀行等の企業に預けて出た利益を受け取る「商事信託」とは違い、報酬の受け渡しが行われない場合が一般的です。

自分が高齢になって認知症になる前に、息子に財産を任せたい場合や、経営者である自分が遺言で後継者を指定したいときなどに民事信託が利用されます。

■民事信託・家族信託のメリット・デメリット

民事信託・家族信託を活用する際のメリットとデメリットを紹介します。

・メリット

民事信託・家族信託を活用する1つ目のメリットは、本人(委託者)の意思を尊重できることです。自分の財産を誰が管理、活用し、誰に受益者になってもらうかを決定できます。本人の判断能力が衰える前に任せておくと、希望通りに財産の受け渡しが行われます。

2つ目は、後継者を複数世代先まで指定できることです。「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」を活用すると、二次相続も指定できるようになります。

・デメリット

民事信託・家族信託を活用する1つ目のデメリットは、税負担が大きくなる可能性があることです。例えば2つのアパートを経営している場合、信託財産に入れている片方の収支がマイナスで、信託に入れていないもう片方の収支がプラスであっても損益通算ができません。そのため、税負担が増えてしまう可能性があります。

2つ目は、受託者間で揉める可能性があることです。特に家族信託の場合は、財産を適切に管理できる受託者が必要です。受託者の能力によっては相続人の不満が出やすく、トラブルに繋がるケースも珍しくありません。

3つ目は、すべての財産を信託財産にすることはできないことです。農地は信託できない財産となります。信託から漏れる財産がある為、後見制度や遺言をセットで利用する必要があります。

■民事信託(家族信託)の注意点

民事信託(家族信託)には、いくつかの注意点があります。正しく活用するためにも、しっかりと確認をするようにしましょう。

・意思能力が低下していると利用できない

民事信託(家族信託)は意思能力が低下していると利用できません。

とくに認知症を発症した後では、民事信託ができなくなります。判断意識が低下する前に、万が一に備えて手続きを行うようにしましょう。

・公正証書が必要

民事信託(家族信託)を活用するためには、信託契約を公正証書で行うことですが重要です。

公正証書とは、公証人法に基づき、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書で、高い信頼性があります。

委託者と受託者だけで契約を交わすと、後々トラブルになる可能性があるので公正証書を作成しましょう。

・費用がかかる

民事信託(家族信託)を行う際は、信託契約書の作成のために専門性が必要になり、専門家に依頼する必要があります。

■まとめ

民事信託(家族信託)は、財産を持っている本人が判断能力のある内に活用することで、相続のトラブルを防げます。受託者や受益者を決められることが民事信託の最大のメリットなので、早めに準備をして万が一に備えましょう。

※「家族信託」は、一般社団法人家族信託協会の商標登録です。