マンションの買い替えに必要な費用は何がある？必ず確認しましょう！

マンションの買い替えを考える際、どのような費用が必要かご存じでしょうか。新しいマンションの購入費用以外にも様々な費用が必要になるため、よく調べておかないと資金不足に繋がりかねません。

今回はマンションの買い替えに必要な費用についてご紹介いたします。

■マンションの購入に必要な費用

・仲介手数料

中古マンションを不動産会社の仲介で購入する際は、仲介手数料がかかります。仲介手数料は宅地建物取引業法により、「（取引物件価格×3％＋6万円）＋消費税」が上限と定められています。新築マンションのように売主から直接物件を購入する場合は、仲介手数料は不要です。

・印紙税

印紙税とは、不動産売買契約書などの課税文書に課せられる税金です。納付には収入印紙を購入して売買契約書に貼付・消印する必要があります。

【契約金額ごとの収入印紙代】

• 100万円を超え、500万円以下のもの＝1,000円
• 500万円を超え、1,000万円以下のもの＝5,000円
• 1,000万円を超え、5,000万円以下のもの＝10,000円
• 5,000万円を超え、1億円以下のもの＝30,000円
• 1億円を超え、5億円以下のもの＝60,000円

注：「不動産の譲渡に関する契約書」のうち、平成９年４月１日から令和４年３月31日までの間に作成されるものについては、契約書の作成年月日及び記載された契約金額に応 じ、印紙税額が軽減されています。

・登記費用

不動産を購入する際に必要な登記には3種類あり、それぞれ費用（登録免許税）がかかります。

1. 所有権保存登記（新築物件の名義を初めて登記するとき）
2. 所有権移転登記（他の人が所有していた不動産の名義を変更するとき）
3. 抵当権設定登記（住宅ローンなどの契約で不動産を担保にするとき）

登記費用は司法書士の報酬と登録免許税を合わせて20万円くらいが相場です。

・不動産取得税

マンションなどの不動産を取得した人に都道府県が課す税金です。土地と建物の両方にかかるため、それぞれの評価額を基に税金が算出されます。基本的に「固定資産税評価額×4％」で計算しますが、軽減税率が適用される場合もあります。納税通知書が所有権移転登記をしてから、おおむね4～6ヶ月後に届くで、注意が必要です。

・火災保険

火災保険は任意ですが、住宅ローンを利用する場合は義務となります。万一の災害に備えて火災保険や地震保険はかけておく方がおすすめです。

■マンションの売却に必要な費用

・抵当権抹消登記費用

マンション購入時に住宅ローンを組んだ場合、抵当権が設定されます。不動産を売却する際は住宅ローンを全額返済し、抵当権を抹消しなければなりません。

A「抵当権とは何ですか？」

B「住宅ローンの返済が滞ったときに備えて、金融機関が不動産を担保にする権利のことです。」

抵当権の抹消は個人で行う場合と司法書士に依頼する場合があります。

抵当権の抹消は司法書士に依頼するのが一般的です。費用の相場は報酬を含めて2万円程度になります。

・仲介手数料

不動産売却における仲介手数料は成功報酬です。複数の不動産会社に仲介を依頼していた場合、売買を成立させた会社のみに支払います。仲介手数料の上限は「（取引物件価格×3％＋6万円）＋消費税」です。

・印紙税

不動産売却の場合も、不動産売買契約書に印紙を貼付・消印して印紙税を納めます。（印紙代については、購入にかかる費用の項で解説しているため省略します）

・譲渡所得税

マンションの売却金額がそのマンションの購入金額よりも高い場合、売却利益に譲渡所得税が課せられます。売却したマンションの所有期間が5年以上かどうかで税率が異なるため、売却前に所有期間を確認しておくことが大切です。

・ローン繰り上げ返済の手数料

住宅ローンを返済期間内に一括返済すると「繰り上げ返済」の扱いになります。マンションの売却利益で繰上げ返済をする場合、金融機関によっては手数料がかかることもあります。

■マンション買い替えで覚えておきたい注意点

・利用可能な控除や特約

マンション買い替えにかかる費用を抑えるためには、以下のような控除や特約を上手に利用することをおすすめします。

• 住宅ローン控除
• 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円を特別控除する特例
• 10年超所有軽減税率の特例
• 特定居住用財産の買い替え特例　など

A「全部まとめて利用すれば、かなり費用を抑えられそうですね。」

B「残念ながら住宅ローン控除と他の特約は併用できません。多くの場合、住宅ローン控除を使う方がお得です。」

・売却時に必要になるかもしれない費用

部屋の状況によっては、クリーニング費用や補修費用、不用品の処分費用などがかかる可能性があります。

■まとめ

マンションの買い替えには多くの費用がかかりますが、現在のマンションをなるべく高く売却することでその費用をまかなうことができます。そのためには「複数の業者にマンションを査定してもらうこと」「不動産会社を慎重に選ぶこと」が重要です。しっかり準備したうえで、マンションの買い替えに臨みましょう。

「※本コラムの内容は令和3年6月3日現在の法令等にもとづいております。年度の途中に新税制が成立した場合や、税制等が変更されるケースもありますのでご了承ください。また、詳細について知りたい方は、お近くの税務署や税理士などにご確認ください。」