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マンションの相続を放棄したい!何に気を付けるべき?

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マンションの相続を放棄したい!何に気を付けるべき?

最近は戸建てだけでなく、マンションの相続も増えています。しかし、場合によっては相続を放棄したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。マンションの相続を放棄する際はどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

今回は、マンションの相続を放棄する際に注意したいポイントをご紹介いたします。

■そもそもマンションの相続を放棄することはできる?

A「マンションを相続放棄したいんですけど、可能でしょうか?」

B「マンションの相続放棄は可能です。ただし、相続放棄にかかわる法律や手続きが少し複雑なので、事前にしっかり確認したうえで判断するほうがよいでしょう。」

・マンションの相続放棄は可能だが...

マンションの相続放棄は可能ですが、マンションのみの相続放棄はできないため、注意が必要です。

相続放棄とは、特定の遺産に対して行えるものではありません。マンションを相続放棄したいのであれば、マンション以外の遺産もすべて相続放棄する必要があります。

・相続放棄したマンションはどうなる?

マンションを相続放棄する際について回るのが、「マンションの管理責任はどうなるのか?」という問題です。

相続人が複数いる場合は他の相続人に管理責任が移行するため、特に問題はありません。しかし、他に相続人がいない場合は、相続放棄後もその財産を管理するものが現れるまでは相続放棄者が管理責任を負うことになるため、注意。

管理責任を免れるためには、家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任を申し立てる必要があります。相続財産管理人の選任後は、相続財産管理人がマンションを現金化して国庫に帰属させるのが一般的です。

・マンションの相続放棄にかかる費用

<予納金>

予納金とは、相続財産管理人へ事前に支払う経費・報酬のことです。

相続財産管理人の経費・報酬は、基本的に相続財産から差し引かれます。しかし、相続放棄をした場合は相続財産が少ない場合、経費・報酬を差し引くことができません。そこで、相続財産管理人の選任を申し立てた人が、あらかじめ予納金を支払っておく必要があります。

一般的に、予納金の額は10〜100万円程度です。相続財産管理人の業務がすべて終了した際に予納金が余っていた場合は、申立人に返還されます。

<専門家に依頼するための費用>

相続放棄にかかわる手続きは非常に複雑で、多くの時間や手間がかかります。そのため、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するケースがほとんどです。

専門家に依頼する費用は内容にもよりますが、3~5万円程度とされています。

■マンションの相続放棄時の注意点

・法定単純承認について

マンションの相続放棄をする場合、「法定単純承認」が成立しないように注意が必要です。

A「法定単純承認ってどういう意味ですか?」

B「『法律で定められた事由に該当した場合は、遺産の相続を承認したとみなす』という意味です。法定単純承認が成立すると、遺産を相続放棄できなくなってしまいます。」

法定単純承認が成立する要件は以下の通りです。

  • 相続財産の処分
  • 熟慮期間(3か月)の経過
  • 相続財産の隠匿

マンションの場合は、特に「相続財産の処分」に注意しなければなりません。部屋の中にある残置物(遺品)を勝手に処分してしまうと、法定単純承認が成立してしまう可能性があります。

相続放棄を考えている場合は、マンション内の残置物を勝手に処分しないようにしましょう。

・ローンの残債や保険を確認

被相続人がローンを組んでマンションを購入していた場合、ローン残債を確認しましょう。ローン残債の支払い義務も相続人に移行するため、あまりにローン残債が多い場合は相続放棄したほうがよいかもしれません。

ただし、被相続人が「団体信用生命保険」に加入していれば、被相続人の死亡とともにローン残債の返済は免除されます。

ローン残債の返済義務は相続放棄するか否かの重要な判断材料となるため、事前にきちんと確認しておきましょう。

・売却査定額も調べておく

マンションの相続放棄を決める前に、売却査定額を調べることをおすすめします。たとえ被相続人にマイナスの遺産があっても、マンションの売却利益がマイナスの遺産を上回るのであれば相続放棄しないほうがよいでしょう。査定額はあくまで売却価格の予測に過ぎませんが、判断材料の足しにはなります。

また、賃料査定も同時に依頼するのがおすすめです。仮に相続するマンションにローン残債があっても、賃貸に出せば優良な資産になる可能性があります。

■まとめ

マンションの相続放棄をするには、その他すべての遺産も相続放棄する必要があります。そのため、「マンションを相続したくない」という理由だけで相続放棄を決めることはおすすめできません。

プラス資産・マイナス資産の状況や、マンションの相続によって発生する管理責任・維持管理費など、さまざまな情報から総合的に判断することが大切です。

マンションを相続放棄すべきか否かの判断が難しい場合は、専門家に相談してアドバイスを受けるのもよいでしょう。

※本コラムの内容は令和4年1月14日現在の法令等にもとづいております。年度の途中に新税制が成立した場合や、税制等が変更されるケースもありますのでご了承ください。 また、詳細について知りたい方は、お近くの税務署や税理士などにご確認ください。