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3階建ての住宅は売りづらいって本当?理由や売却のポイントとは

コラム

不動産コラム

3階建ての住宅は売りづらいって本当?理由や売却のポイントとは

居住スペースに対して土地の広さが足りない場合、3階建ての住宅にすることで問題を解決できます。

しかし、売却時には売れにくいという意見もあり、3階建ての売却を考えている人の中には不安を覚えている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、3階建ての住宅が売りづらいと言われる理由と、高く売るためのポイントを解説します。

■そもそも3階建てはどんな住宅?

A「3階建ての住宅を売却したいです!3階建ての不動産はどのように評価されるでしょうか?」

B「まずは3階建ての住宅とは一般的にどのような住宅なのか、その特徴を確認するところから始めましょう!」

・都市部は駅近物件が多い

3階建ての住宅は駅周辺など、比較的都市部に多いのが特徴です。これには都市計画法で定められている「用途地域」が大きく関係しています。

用途地域は大きく分けて、住居系・商業系・工業系の3種類です。駅周辺は商業系に分類される傾向にあり、居住用の広い土地を購入することは難しくなっています。そのため、駅周辺に3階建ての住宅が多く見られるようになりました。

・狭小地は延べ床面積が広い

たとえ土地が狭くても、商業系の土地は延べ床面積が広い家を建てることができます。これは先述した住居系の用途地域に比べ、商業系のほうが建ぺい率・容積率が高いためです。

それぞれの意味と比率を以下に紹介します。

  • 建ぺい率:敷地面積に対して建てられる家の面積の割合
  • 容積率:敷地面積に対する延床面積の割合

商業系

住居系

建ぺい率

60~80%

30~80%

容積率

100~1300%

50~500%

※ 住居系は、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、準工業地域まで

※ 商業系は、近隣商業地域、商業地域まで

この数値を参考に、100m²の土地に建てられる家の広さを計算します。

【商業系(最も制限が厳しい場合)】

建ぺい率

100m²×60%=60m²

容積率

100m²×100%=100m²

【住居系(最も制限が厳しい場合)】

建ぺい率

100m²×30%=30m²

容積率

100m²×50%=50m²

延床面積を示す容積率で見た場合、商業系は最小でも100m²の広さの建物を建てることができるのに対し、住居系は最小50m²の広さの家しか建てられません。

つまり、商業系のほうが建ぺい率・容積率の制限が緩やかなため、延床面積の広い3階建ての住宅を建てることができるというわけです。

■3階建ての住宅が売りづらいとされる理由

3階建ての住宅は比較的都心部に多く延床面積も広いため、一見すると売却しやすいと思われるかもしれません。しかし、購入する人にとってはメリットよりもデメリットのほうが多いため、なかなか売れにくいのが現実です。以下で理由を見ていきましょう。

・上下移動の多さ

3階建ての住宅は1つのフロアが広くなく、縦空間を意識した暮らしになるでしょう。そのため、自然と上下階の移動が多くなり、生活しにくい印象をもたれてしまうようです。

特に、高齢者や小さな子どもがいる家庭にとって上下階の移動はデメリットであり、売却を妨げる原因となっています。

・耐震性の不安

日本は地震が多く、高さがある住宅に不安を感じる人は少なくありません。地震の揺れを体感することへの恐怖だけでなく、建物の構造的に2階建てより3階建ての住宅のほうが地震に弱いと直感的に考えてしまう人は多いのです。

・メンテナンス費用が高額

3階建ては、メンテナンス費用が高額になりがちです。たとえば、水道管や電気配線、ガス管などが上下に配置されるので工事費用がかさみます。

また、外壁や屋根の修繕で足場を組む際も高さが必要で、足場を設置する十分なスペースを確保できないなどの問題が生じ、その対応により費用が高額になるケースもあります。

■3階建て住宅を売却する際のポイント

3階建ての住宅をスムーズに売却するためのポイントを2つ紹介します。

・エレベーターや昇降機の設置を検討する

3階建て住宅において最もネックになるのが上下階の移動です。その不安を解消するために、エレベーターや昇降機の設置を検討してみてもよいかもしれません。

誰もが快適に暮らせる環境に整えることで、幅広い家族構成の人も購入を検討できるようになるでしょう。

・耐震診断をする

3階建ての住宅を売却する際は耐震診断を行い、何も問題ないことを証明する方法が有効です。耐震診断を依頼する際は、家を建てた施工会社ではなく、第三者で行いましょう。そのほうが購入希望者も安心し、売却につながる可能性が高まります。

■まとめ

3階建ての住宅は比較的駅に近い場所にあり、延床面積の広い物件が多いという特徴があります。その反面、上下階の移動が多くなったり耐震性の不安があったりと、売却したい人にとって不安な要素が揃っているのも確かです。

しかし、エレベーターを設置したり耐震診断をしたりするなど、工夫次第で売りやすくなります。3階建て住宅のような買い手を選ぶ特徴的な不動産を売却する場合は、売却実績が豊富で信頼できる不動産会社に相談するとスムーズな売却が実現できるでしょう。

※ 本コラムの内容は令和5年1月現在の法令などに基づいて作成しております。

  年度の途中で法令が成立したなどで、本コラムが現時点の法令と異なる場合もございますので予めご了承ください。

  また、詳細について知りたい方は、所轄の官庁、または、弁護士、税理士などにご相談ください。