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住友林業ホームサービス株式会社

庭石の話

北摂支店

八島靖英のブログ

職業柄、お客様のお家に訪問させていただくことが多いのですが、以前、拝見した売主様のお宅の日本庭園がとても立派でした。枝振りの良い松、見上げるような高さの槇(マキ)の木や、おそらく重機でないと動かせない大きな石灯籠、随所に紫色のきれいな何トンもある生駒石と大変お金も手間もかかったお庭です。庭石といえば、生駒石、伊予の青石、佐渡の赤玉石などが有名ですが、その程度の知識しかない僕にとって、お客様のお話はとても面白く、中には、暴力団の組長が好む石などというものもあるようで、由来を聞いてなるほどと納得させられました。


枯山水の庭園のなかで、僕が一番好きなのは「龍安寺(リョウアンジ)の石庭」です。おそらく日本で一番有名な庭園なのでご存知の方も多いと思いますが、この石庭には草木は一切植えられておらず、庭石とその周りの苔、白砂、それを取り囲む土塀だけの簡素な70坪ほどの庭です。ところが、その一見ただの土塀は、遠近法で庭を広く見せるため微妙に高さを変えてあり、石の配置も手前のものは赤っぽい、奥のものは青っぽい(これも目の錯覚を利用して広く見せるため)、また、全部で15個ある庭石は、どこから眺めても、必ず1個は他の石に隠れて見えないように設計されていて、ただ一点、方丈の間の中心から見たときにだけ15個の石すべてが見えるように配置されているそうです。このように先人が知恵と工夫を凝らして拵えた造作が、時間を経ても人々に愛されるのは当然といった気がします。